12月24日はクリスマスイヴという日らしいが、夜電車の中でフォークナーのsanctuaryサンクチュアリを丁度読み終えた。性的不能の男と、判事のお嬢ちゃま、南部の狂ったリンチモブ達。描写の力。フォークナーのしつこいくらいの細かい情景描写は、逆にそこから映像が頭に浮かびにくく、読み進めるのに苦労することもあるのだが、描写している対象を遥か超えてしまうほどの執念深い言葉の突き詰め方はものすごい。使われている語彙自体はさほど難しいものではないはずなのだが(日本語訳を読んでいるので実際はわからないけど)、なんでこうなるのだろう。ある出来事なりを、その周りの状況の描写で、埋めていく感じで、例えば、性的行為をトウモロコシの穂軸のこすれる音に置き換えて描写していたと思ったら、それが実際にトウコロコシの芯を使って性的行為を行っていたと後半にわかったりと一筋縄にはいかないところがこれまた。