kafka

今週日曜日にギャラリーアーキペラゴでやる上映会のために
カフカの日記から


12月27日
私にはもうこれ以上文章を書く力が残っていない。そう、もしこれが単語の問題であったなら。一つの単語を書き留めて、その単語に自分自身を完全にこめることが出来きたという静かな意識のなかに自分自身を置く事が出来たらなんていいのだろう。


午後の一部は寝て過ごし、目が覚めている間もソファに横になりながら、若かかりし頃の恋の経験をいくつか思い出し、その中にはなかなか消えない失恋の痛みもあった。(その時、私は軽い風邪をひいてベッドに横になり、女性の家庭教師が『クロイツェル・ソナタ』を読み聞かせてくれて、彼女は私の動揺を楽しんでいた)また、ヴェジタリアンの食事のことを想像し、すっかり消化して満足し、自分の視力が生きている間ずっともつだろうかと心配になった。