ストローブ=ユイレ

今日はストローブ=ユイレの映画を見た。
マホルカ=ムフ。妥協せざる人々。花嫁、女優、そしてヒモ。オトン。4本。
フランス、ドイツ、イタリアと様々なところで映画を製作してきた監督。最初の3本の映画はドイツで製作、言語もドイツ語、オトンはイタリアで製作され、映画の中で使われている言葉はフランス語。
オトンついて。
古代ローマの政略劇。例により緩やかなパンから始まる映画。水平のパンに途中から垂直方向が加わる。まだこの時期の作品では360度まではいかない。
ストーブ=ユイレの作品にはとにかく台詞が多く、字幕にはまずついていけない。字幕に集中すると映像が見られない、音響も捕らえられない。ストローブ=ユイレの映画においては音響を聞くことは、字幕を読むことより何かを考えるきっかけを与えてくれる。
「オトン」に全編において聞こえる音響というと、まずは車の騒音である。その中に時折鳥のさえずりなども聞こえてきます。また出てくる人間も訛りの強いフランス語をしゃべっているそうです。フランス語などしゃべれない僕にはイタリア語訛りのおじさんがいるなとわかっただけですが。現代において演じられる古代劇。この作品ではそれが現在であることを隠すどころか強調し、ぎこちない登場人物のしゃべりとともに違和感を導入する。