追悼 続き

私はルーシュが人生最後の数年間、技術の進歩がどのようにルーシュの映画製作に影響を与えていたかここで記述しておきたいのだが、わたしはルーシュのここ数年の作品は一つも見ていないし、見たという人も知らない。私は数年前、ロンドンのコロキーで幸運にもわたしのヒーローと昼食をともにする機会に恵まれたのだが、その時私はルーシュがデジタルテクノロジーの到来に対して容赦ない言葉を浴びせるのに非常に驚いた。一度に一時間ばかりも撮影して、どこの空港でも買えるような装置で同時録音するという方法は、彼と同時代の他の多くのドキュメンタリー作家に受け入れられていた。したがって私は、ルーシュもこの事をアレクサンドル・アストリュックのカメラー万年筆の予言を、これまでのフィルムが提供しえたなにものよりをフルに実現するものと考えているだろうと勝手に仮定していたのだろう。