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art and river bankでキムさんの作品を見る、というか読む、というかやっぱり見た。HDレコーダーのディレイ処理で1分間遅れた自分の映像を見ることになるその作品では、その解説にあるように、翻訳作業に於けるディアスポラ(離散)、空間的な拡がりを連想させるディアスポラという言葉よりも、もっと時間的なズレ、差異を強烈に感じることになるだろう。装置としては単純なものではあるのだが、これほど1分のずれというものが、人間の知覚を揺るがすものとはとは。
リアルタイムというものがいかにリアルではなく、リアルという概念が絶対的なものではなく、相対的なものであるということが、タイム(時間)というものがその持続よりも、断絶において本質を露呈するものであることに気付くことになろう