なるせ

今年は成瀬巳喜男の生誕100周年だ。うっかりしてたら、フィルムセンターでの特集上映が始まっていて、遅ればせながら今日始めてみに行った。お國と五平。谷崎潤一郎原作。女主人とその奉公人が旅しながら互いの身分の違いを超えて惹かれあう展開で、溝口の近松物語を想起した。ところがどっこい、二人が結ばれるのか、それともやはり身分の差を超えられず悲しい結末が待っているのかと思いきや、奉公人の男が煮えきらない。成瀬映画の図式 強い女−煮え切らない男 がここにもやはり。最後には山村聡演じるさらにうじうじした武士がでてきてぶち壊してくれる。最高だった。